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執筆者の写真hanataku2019

「ふたたび、暖簾をかけるまで」

更新日:2019年6月15日

「ふたたび、暖簾をかけるまで」第7話


(訪問STから当時の様子について)

第6話で挑戦して頂いていた

「トイレ作戦」「記憶フル活用作戦」「地下鉄に一人で行ってみる」「一人で買い物に行ってみる」についてです。


トイレ作戦に関しては

以前も書きましたが、行った時間の記録をメモに取ることやトイレ内の扉近くに除菌テッシュを設置することで、手の汚れも解消出来るように成られました。

失敗が無くなってきたタイミングでオムツも取って様子を見ました。

最初は少し失敗されることもありましたが、メモに転記、改善点を考え共有することで改善されていきました。

大きな理由として反復すること、習慣化することでその行為自体を徐々に覚える力がお有りだったことが大きいです。

最終的には通常のトイレの用具のみで行うことが出来るようになられました。


記憶フル活用作戦では

当初はメモも思いついたものを単語だけ書いている状態であったので、「朝、昼、夜」と分けて何か出来事がある度に書く→徐々に朝の分を昼前にまとめて思い出しながら書く

という形になって行きました。血圧や排便状況なども徐々に自身が振り返りやすいレイアウトにカスタマイズしていきました。


地下鉄や一人で買い物に関しては

当時は周りの雑音や周囲の刺激(人混みや光、カート等)を全て反応してしまい、疲弊されている状態でした。通常必要な刺激だけをピックアップして要らない雑音や刺激はシャットアウトする力が人間には備わっています(カクテルパーティー効果)がその当時は困難でした。

なので、徐々に人の多い所にしんどくない範囲で行く事や

地下鉄やバスでは新聞を持っていき、そちらに自分が集中することで外部の刺激をシャットアウトする、などの工夫提案を行っていきました。


またメモ帳のレイアウトや左側への注意が向きにくいなどの空間認識も当初は少し苦手だったので、その辺りを意識する為にも、元々よく行っておられたスーパーのレイアウトを事前に書いたり、細い売り場の通路を注意して客の少ない時間に行くなども奥様として頂きました。

訪問リハビリの時間以外でのこういった当時必要だった課題を日常的にクリアされていったのが改善の大きなポイントになったように感じます。



*この日記は高次脳機能障害からの記憶障害の練習の為にご家族による当時の様子、想いと御本人による振り返りから構成されています。ご夫婦より多くの方に知ってもらいたい、とのご希望があり、掲載しております。

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