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執筆者の写真hanataku2019

「聞いて聴いて、早川一光先生のラジオな話!又、来週」

第34話

ある日スタジオに来られた先生、

「今、週に何回か美山に通っている」と冊子を頂きました。

美山というと日本の原風景が残る山里、かやぶきの里として知られています。

冊子をみると、

平成12年創刊号11月「美山健康会だよりお-い!元気かあ-」(医)財団美山健康会編集・発行/美山診療所広報委員会 

12ぺ-ジの気合い十分、思いが一杯詰まった冊子です。

医療も福祉も保険も住民の手で理事長早川一光

「さあ、時は秋。実りの季節です。この実りは美山町の皆さんが蒔いた種が、ようやく実を結び、明るい日差しをあびはじめた時です。美山診療所も、同じです。」

先生、町長さんに請われて、北区の自宅からマイカ-通勤(道は狭いし危険?)です。

でも先生、張り切ってます。

当時の中田美山町長

「・・町民が一番の頼りとしてきた平屋診療所が○○先生の病気を事由にした突然の閉業が、平成6年3月に起きました。・・途方に暮れかけようとしていた時、早川一光先生を中心とした総合人間研究所と市内西陣地域で試され済みの早川先生のへき地医療へのほとばしる熱い情熱とご厚情によって、新たな医療方式「公設民営」方式により平成8年4月に美山診療所がスタ-トしました。・・」

美山で住民参加による医療を創る会は「・・美山診療所は、へき地で、また高齢化率も高い実態からして、出前医療・在宅診療を積極的に取り組み、また介護保険の受け皿となるデイ・ケアなど、どこの診療所でも実施していない特色ある医療実践をされており、診療所へ行きたくとも、行けない多くの高齢者等の方が喜んでおられます。一層の充実をお願いします。・・・」

医局3人・病診連携医明治鍼灸大学付属病院4人・滋賀医科大学福祉保健医学講座4人他に検査・リハ部3人桑の実スタッフ4人看護部9人栄養部スタッフ5人通所スタッフ5人介護スタッフ4人事務スタッフ9人。

「美山町の医療をお預かりして3年有余。・・美山にふさわしい、新しい医療を創造します。」真冬の雪の中、往診中の早川先生の写真も載ってます。宮島診療所月曜日午前中8時45分~11時30分の一般外来は、早川先生と担当医表に記載されています。(早起きは土曜日なみですが、マイカ-は心配。)

他に成形外科(月・火)乳腺外来(水)ペインクリニック(水)専門外来の案内、患者さんからの一言も掲載。

喜びや感謝、期待が載っています。

編集後記には、診療所の新築移転1周年を記念して発刊出来たとあります。

こうして見ると、早川先生やスタッフの情熱や努力、協力を惜しまない住民の皆さんの姿が浮かんできます。

「公設民営としてスタ-トした町内唯一の医療機関、美山診療所が、町民の生命と健康を守っていただく早川先生始め、スタッフみなさん本当にご苦労様でございます。」(男75歳)

「全国まれに見る町民参加の医療センタ-として、私達を見守っていただいております。・・」(女66歳)

この冊子だけで計算すると足掛け6年、早川先生がプロデュ-スされた診療所の完成です。人材を集め体制をどうするか?器材は?予算は?どれをとっても大変です。勿論、生放送は続けておられます。今はどうかなと、美山診療所を検索すると南丹市美山町となり、建物は冊子に紹介されたままでした。

2019.12.19付け美山診療所の活動概要をみると、「京都府の面積の7%を占め、京都中部総合医療センタ-まで車で50分以上掛る広大な中山間地。高齢化率46%越の地域で京都府下唯一の老健併設のへき地の有床診療所として、常勤医師が1名(非常勤医師6名)で運営しています。地域から必要とされる医療介護福祉の業務と、他の介護事業所とともに連携して提供できる業務と、それを支える医師や専門職スタッフ等の医療資源と経営力量のギャップに喘ぎながらも、南丹市からのご支援と患者様、地域の皆さまの大きな支えの中、活動しています。」とありました。厳しい状況の中、頑張っておられる様子が伺えます。

先生、私に

「漆黒の闇に、飛ぶホタル!素晴らしいで・・・」漆黒の闇って?


又ある日、早川先生今度は、スタジオに立派な看板を持ってこられました。

ざっくり縦1メ-トル横幅40センチ位の木の看板です。

そこには「よろず診療所」と書かれていました。どうしたんですか?とお聞きすると、

「美山診療所を止める時、看板をつくってくれはった。」

それなら、毎回放送の時にスタジオに看板を出しましょう。

「先生、スタジオがよろず診療所になりましたね!」と私が云うと、

先生

「そう、空飛ぶ診療所や!」

又、来週(つづく隔週予定)


*著者紹介

KBS京都「早川一光のばんざい人間」を立ち上げた初代ディレクター


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