「聞いて聴いて、早川一光先生のラジオな話!又、来週」第26話 2020,1 reissue
第26話
早川先生が亡くなって半年後、
立命館大学朱雀キャンパスで「医師 早川一光を語る会」が開かれました。
息子の岳人さんから「ラジオ現場の早川先生」を語ってと依頼を受け、
又、番組最終回に寄せられた早川先生の
「いずれ機会をいただき、リスナ-とお話をするかもしれない。皆さんとの宿題にしておきましょうか」
先生から私への宿題!そう思ってこのエッセイを始めました。
取りあえず先生の命日までは、私の放送体験や出あった歌手・タレントさんの話も交えて続けようと思っています。
さて、早川一光のばんざい人間の番組旅行企画。
担当した3回目は紅葉の秋、「1泊2日高山・白川郷の旅」
奥さんは草津温泉をご希望の様でしたが、遠いのと旅行代理店が高山を、強く押して学生時代3年間、夏休みバスガイドのアルバイトをしていた思い出の地になりました。
出発は11月4日、3回目もバス旅で紅葉の時期だけに景色は最高に良かったです。
印象に残っているのは、白川郷のお寺の黄色く輝くイチョウの木。泊りは高山のホテル。
朝市を見学している時、先生が眼鏡を忘れた事に気が付きホテルに連絡。
赤い欄干中橋まで、持ってきてもらいました。
その後、私がワイシャツを部屋に忘れていると連絡が入り,着払いで送って貰いました。
我々よりお年寄りの皆さんの方が、しっかりしておられました。
ガン患者さんの参加・長い闘病生活で連れ合いを亡くした人等、
いつもながらの悲喜こもごものドラマがあって無事に京都に帰って来ました。
紅葉の頃になると、思い出すのは国民的歌手ペギ-葉山さん(2017年4月12日没)。ジャズ・ポピュラ-業界だけで無く「南国土佐を後にして」の空前の大ヒットで、
歌謡界においても不動の地位を得ました。キングレコ-ドから発売された時、
ご本人はヒットするとは思って無かったと、話されていました。
それがあっという間に広がり、全国何処に行っても聞こえてきたと。
私は、KBS京都にはアナウンサ-で入社。(1分間のフリ-ト-クでは、月面着陸のア-ムストロング船長と五山送り火の写真どちらかを選び、話せと云うもの。月面では差が出ないと、送り火を選び蕪村の句を紹介しました。)
2年目の時、日曜日の午前9時から30分の番組「キングアワ-」を担当。
アナプロでスポンサ-は、キングレコ-ドと京都の家具センタ-さん。
流せる曲はキングレコ-ドグル-プの曲で和洋(カーペンタ-ズ・トムジョ-ンズ等)問わず。構成はリクエスト曲・キング指定曲・専属歌手のインタビュ-をDJスタイルで構成。この番組で有名な歌手の皆さんに直接インタビュ-する機会を頂きました。
新曲や近況等を聞くのですが、新米のアナウンサ-は相手の話を聞いていない。
うなずきながら、質問する事ばかり考えている。
ベテランは流れの中に身をおいて、自然体でお話が聞ける。つまり相手の話を聞いている。ザ・ピ-ナッツの時はステレオで、お二人同時に答えて頂きました。布施明・梓みちよ等、京都には有名歌手が出るクラブもあり沢山の方に出あいました。
又、マネ-ジャ-さんとも名刺交換させて頂きました。彦根の滋賀放送局時代、この人脈が公開録音の出演交渉にも役立ちました。キングアワ-を担当して5カ月位してキングの宣伝の方が、「秋にペギ-葉山さんの新曲「雲よ!風よ!空よ!」が発売されるので、宣伝を兼ねてペギ-葉山さんと一緒に紅葉の京都を巡る日帰りバスツア-を企画しました。
「高田さんの番組で参加者を募集してほしい」と言われました。
少し不安でしたが募集しました。結果、応募多数で抽選になった様です。
集合写真を見ると、58人います。
ラジオ大阪・ラジオ関西のキングアワ-担当者・雑誌記者・新聞社学芸部の記者・スポンサ-のネクタイ組・番組募集に応募した方。子供さんや若い人の笑顔も見えます。
「雲よ風よ空よ!お前たちは知ってるかい・・・」
青い空に赤や黄色が映え、紅葉の名所高尾を経て北山杉の丸太みがきを見学。
新曲の歌詞に沿ったコ-ス。
ここで事件が発生。
丸太みがきの実演中にペギ-葉山さんの女性マネ-ジャ-が、水の中に転落。
みんなですくい上げ、説明役の方のお家で着替えさせて頂きました。
忘れられない思い出です。
その3年後、私が彦根の滋賀放送局に勤務していた頃、音響メ-カ-がステレオの宣伝をしたい。彦根市民会館にお客を集めたいと依頼がありました。限られた予算でしたが、客層や集客を考えるとペギ-葉山さんがピッタリ、ギャラはおぼつかないけど当たって砕けろ。
例のマネ-ジャ-さんに話すと、「ピアニストの秋満義孝さんは連れて行くけど、カラオケも持込みレコ-ドもいいわよ!」との事でした。
ステ-ジの一角にステレオとソファ-をセット。
ペギ-葉山さんの思い出の秘蔵レコ-ドを、ご本人の説明と共に聞く趣向です。生歌(ピアノ伴奏とカラオケ)に加え、番組構成上変化を付けたいとお願いしました。会場の左右にはメ-カ-のステレオ、20個を積み上げ会場に流す。(収録番組の放送はステレオでは無い。)技術的な事は分りませんが、難しいほど燃えるのが技術。本番ではクリア-。スポンサ-も満足されたようです。会場は満員で営業担当も喜んでいました。当時のペギ-葉山さんを考えると、スケジュ-ルやギャラなど随分優遇して頂きました。感謝するとともに、改めてご冥福をお祈りします。
又、来週(つづく隔週予定)
*著者紹介
KBS京都「早川一光のばんざい人間」を立ち上げた初代ディレクター
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