「ST、在宅やってるってよ」その16
今回はリスク管理についてです。
先日、訪問先で壁に穴が空いていました。
ご家族にお聞きすると
「お父さんがいつものようにヨロめいて、頭打ったんです」
「でも今回は血も出てないので、病院には行ってないけど」
「なんか最近また、えらい動きが悪くなって前より喋れなくなってきて本当に困ってます」
こちらのお父さんですが、進行性のご病気なので
普段から「少しずつ状態が進行しているのが当たり前」
という認識に周囲がなりがちで、しかも転倒が多い状態です。
血が出た際は近隣の病院に診察に行かれています。
私が訪問する6日前(私は週一回訪問)に転倒されていたようです。
間に行かれているデイサービスでも
「いつもより、動きがゆっくりでした」
と連絡ノートに記載があったそうですが血圧などはあまり変わりがなかったようです。
ですが、日に日に動きが緩慢に、、、
普段のご病気からくる症状と比較して簡易に評価(引き算)しました。
元々のご病気からの緩慢さだけでは出ない動きの鈍さや反応、目覚め(覚醒)の不良があり、いつもと少し違う印象でしたので慢性硬膜下血腫*の疑いがあると思い、
本日受診してもらうようにお伝えし、担当ケアマネジャー等関連事業所にも共有しました。
後刻連絡があり、実際に慢性硬膜下血腫*で後数日遅れると危なかったとのことでしたが、
血を抜く処置をされ、数日でご退院出来るとのことで一安心、となりました。
こういったケースですが
間に入ってたデイサービスが「見落とした、悪い」のではなく
ご家族の認識としての重要性が低かった(血が出てないので楽観視していた)ことから
デイサービスのスタッフに伝達される情報も少なかったこともあります。
仮に「壁に穴が空くくらい頭ぶつけて、少しずつ動きが悪くなってる」
という話が連絡されていたらデイサービスのスタッフの対応も違ったと思います。
実際にご自宅にお伺いするサービスは私しかいない方なので、
家に行かないとその情報が無かったわけです。
我々はお医者さんでは無いので「診断」は出来ません。
状況から医師・看護師に診てもらう必要があるかどうかを判断出来る程度のリスク管理の
知識が必要なのかな、と思います。
*東京女子医科大学東医療センター脳神経外科HPより
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