「ST,在宅やってるってよ」その103
今回は地域共生社会について考えてみようと思います。
厚労省HP*によると
「地域共生社会」とは、このような社会構造の変化や人々の暮らしの変化を踏まえ、制度・分野ごとの『縦割り』や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を目指すものです。
とのことです。
ざっくり言うと
超高齢社会、核家族、老々介護、孤食、過疎地、、
障害や介護に必要な土台自体がやせ細っている今の日本の現状から、助け合える多方向の
関わりが必要ということでしょうか。
子ども食堂やボランティア、民間の有料保険外サービス(郵便局員さんが安否確認したり)
ウーバーの様な空き時間を利用したアルバイトを繋ぐマッチングでのフォローの介護、ベビーシッター版、、、
様々なサービスがあります。
ではSTはどうなんでしょうか
まだ縦の関係どころか法人内、よくて職能団体内の関わりがメインではないでしょうか
STの関連分野での横糸縦糸をつなげていくことは社会資源の少なさからも重要です。
一つは
他事業所の紹介、代替サービスの紹介
個別リハが必要なくなったら終わり、ではなく適応のありそうな作業所や就職先の支援に繋ぐ、地域の中での単位で「合いそうな資源」を把握しておく必要があります。
簡単に言えば「囲わない」です。
その人特有の障害を共有しておく
専門的な言い方でなく、多職種に端的に特徴を把握しておらうことです。
「聴覚把持力が~迂回表現が~」×
⇒「高額の金銭や新しい制度の申請やりとりは助けがいります」
みたいな。
以前重度運動性失語の利用者さんがショッピングセンターで偶然警察に尋問されている
所に遭遇しました。身分証を提示して、話にくさの特徴などお伝えしたり仲介しました。
(中学生にぶつかられてイチャモンを付けられていた所を誰かが通報したが、既に犯人はおらず、状況説明が出来なかった様子)
失語症会話パートナーが増えれば、こういった場面で困る方が減るかもしれません。
そして支援者もサービス受給者も風通しの良い対等な関係であること。
提案はしてもその人の生き様(ACP)を尊重する
支援者の対応・意見にも耳を傾ける
要らないと言っていても毎年、家の前に飛んでくる虫を悉く捕獲し
(以前クワガタ採りのフリートークをした)渡してくださる方、
「先生、要ると思って必死で捕獲したんよ」というサービス時間外に少し気にし合える感じ
自分のサービス専門外でも例えばコロナ禍で外来行くのが心配⇒電話で処方出来るよ、等の
アンテナ、情報の提供だったり。嚥下に安心だけど美味しそうな情報とか、普段から
少し気にしておくアンテナ。そんな相互の思いやりかもしれません。
在宅で訪問移動中に「卒業生」の方々に遭遇します。
小学校の下校途中の○○くん
杖を突きながら通勤中の○○さん
朝のファミレスにご飯を食べに行く日課の○○さん
毎回声を掛けたりはしませんが、これも「見守っている」のかもしれません。
関係していた他事業所さんに「○○君、元気に登校してましたよ」とか言ったり。
そう考えると
地域に出てからも「少し気にする、気にし合う」が肝かもしれません。
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