「ST,在宅やってるってよ」その79
長く、困難な一年が終わろうとしています。
勿論、コロナに休みは無いのですが、、
今週で年内は訪問終わりのご利用者さん達にはご挨拶。
このコロナ禍において我々はこれまで良いとされていた行為を「悪」に
しないといけない、そういった場面に向き合い続けてきました。
人と人との触れ合い、交流の持つ素晴らしさや「その人らしく」生きる場面への紹介です。
特に施設ご入所中の方々は、自身のご家族にも会えず、年数回の帰郷も行えず。
又、その状況下にあることにコミュニケーション障害があるが故に、理解し難く
よりストレスを感じておられる、その訴えを頂くことが多々ありました。
例えばオンラインでの面会を提案するにしても、そういった手段をこれまで使ってこなかった方々にはお会いできずに設定や紹介をすることも難しく、施設内規定など多くの壁が存在します。
夏にあるご利用者さんが涙ながらに怒りと、遣る瀬無さを訴えられた時、
こちらも聞きながら、自分の子供と親が普段通りに会えないことなどを思い出しながら
話しました。
「一緒ですね、、」
という話の中でこちらも自然と涙が出ました。
その後、一旦の小康状態時にご家族とお会いできた後の訪問時の笑顔は忘れられません。
また別の方は、いつも息子さんが週に何度か来られてお薬カレンダーのセットをされていたのが途絶えたことで、日付の認識にズレが出て曜日ごとのスケジュールに混乱を来し、
それでもどう伝えていいか、戸惑い過ごされていました。
施設への訪問が再開し、その現状を聞き取り、一緒に施設スタッフにお伝えした時に
「本当に、ありがたい、、本当に、、、」と涙ながらに拝まれました。
勿論施設の方々にも普段のお声がけや伝え方の工夫は伝達はしていましたが、
理解障害という見えにくい部分に対しての細部までのアプローチは難しいものがあります。
そんな夏を超え、
秋になり、
冬が来て、年末。
家族に会いたいと怒っておられた方は
変わらず「あかんわ」と言いながらも、施設の若いスタッフとの会話を楽しみながら
今は帰省が難しい事を理解し、それでも残る不満をSTの時間に言わせてくれ、と
「(私たちは)ツーツー(に通じ合える)やから」と言われました。
またもう一方の方はスタッフがお薬カレンダーを確認して下さる中で混乱は無くなり、
今、ご家族が来れないことを理解された上で
「仕方ないんじゃ」と言われます。
皆さん、このコロナ禍で苦しみながらも、強く変化に順応されようとしています。
そんな話を聞く、変化していく場面に出会えることに感謝の様な何とも言えない気持ちになります。
別の方はこんなことも言われました。
私「大変な一年でしたね」
その方
「でも、何にも無かったやろ?本当に悪いことは。だから大丈夫」
この方は進行していく自身のご病気について考えながらも
「このままでは天国に行けないから、(お茶会再開)して」
と再開するかどうか迷う私の背中を押してくださいました。
交流の大切さを再び感じましたし、どうその状況を受け止め、動くかも。
来年は「人と人が交流できるのがどこからどう見ても良い事!」と再び言える年になることを祈りつつ。
皆様良いお年をお迎えください。

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