top of page
執筆者の写真hanataku2019

「ST,在宅やってるってよ」

「ST,在宅やってるってよ」その21


多くの在宅に出ようとするSTの「訪問への不安」の第一位は「リスク管理」です。

                            (はなたく調べ、、)

「病院なら何かあったら看護師さん呼んでお願いしてるので、一人で行くのは、、、」


ということで

今回もリスクシリーズです。


今回は「窒息」です。


と言いながら、


意外と窒息場面には遭遇しません。

というのも

嚥下障害がある方の多くは窒息では無く、誤嚥のリスクが高いのです。


気管・肺に侵入せず気道を閉塞している状態が窒息になります。


窒息のリスクが高い方は比較的元気な方が多いのも特徴です。


・ご自身で食べられる方


・食べ方が所謂、「早食い」


・口元まで取り込むのに手の問題で苦労する方(口元に来る前に吸おうとする)


・嚥下しやすい食べ物でも窒息する(ゼラチンゼリーでも)


そんな方に多いです。


最近は施設での窒息に対する訴訟も個人が対象となっています。しかも直接介助をしているご利用者では無く、背面で自己摂取されていた方の責任も問われたりします。


自分の身は自分で守れ、という時代なのかもしれません。

各協会の業務に関する事故に対して保険に入っておくことも大切になります。(協会によっては加入した時点で一定額の保険に自動加入している場合もあります。各自ご確認を)


まず窒息しやすい方の見極めが必要となります。


上記の方は疾患問わず、要注意です。

食事方法は習慣、クセでもあるので修正が中々難しいのも特徴です。


大家族で子供の頃から兄弟で食事の取り合いだった


バリバリのビジネスマンで「営業は早めし・早グソが基本」という方もいます。


勿論、認知症を始めとして口頭での促しでは難しい方もいます。


その場合は道具や環境を変える必要があります。


・テーブルに注意喚起の札を設置しておく


・食具を小さくする(使いたくなる程度で)


・器を重くする


・丸呑みでも安全な食事形態にする


こちらに関しては京都府言語聴覚士会嚥下ワーキンググループで作成したビデオもあります*1


窒息した場合の対応は幾つかありますが

基本は

1、口の中に見えている部分を先ず取り除く

2、医師・看護師が近くに居なければ救急車を呼ぶ

3、成人であれば、前屈の姿勢で背中を思いっ切り叩く(背部叩打法)

  又は窒息者の背部にまわり、脇の下から両腕をクロスした拳をミゾオチの下方辺りに当て、上部に一気に引き上げる(腹部突き上げ法・ハイムリック法)

があります。*2

ハイムリック法は一回目で効果が無いと繰り返しても肺の残気量が少なくなるので効果は薄れていきます。


もう一つは「意図的指掻き出し法」*3です。

こちらは実習などを行った上でないと、窒息を助長(詰まっているものを更に奥に落としてしまう可能性)もあるので実習が必要になりますが、

救命救急士の窒息時の応対では上記方法よりも行われる割合は多いと言われています。


また通販などで掃除機の先端に取り付け可能な窒息物取り除き用ノズルなどがありますが、

掃除機の圧力がかかると肺自体が潰れてしまう為、リスクが高くお勧めは出来ません。


勿論窒息場面に遭遇しない、させないことが大前提ですが、可能な限りの応対が出来るように知識を持ち、実践出来るように備えて置くことは必要かもしれません。


*1嚥下どこが問題なんやろか④

https://www.youtube.com/watch?v=yf1OX3JtKno

*2日本医師会救命蘇生法

*3興味を持った脳神経内科論文 下畑享良




閲覧数:56回0件のコメント

Comments


bottom of page