「ST,在宅やってるってよ」その44
今回は「言葉掛け」についてです。
在宅での「言葉選び」で気にしたいことが幾つかあります。
①「当事者が選んでいる」の立場からの話す。
「リハビリしてあげる」「言語訓練で呼称訓練してあげて」
時々未だに耳にする言葉ですが、、、
あり得ない表現ですね。
保険とは言え対価を払って受けておられるサービスですので、、
してあげる→させて頂くに切り替えましょう。
②わかりやすい表現、を心がける
リハビリテーション業界のことなど世間一般の方からすれば、日常には普段触れることがないものばかりです。自分たちの職場内でも事務職の方にその表現で伝わるかな、と考えてみると見えてくるかもしれません。
「ペースト4割、眠剤は半錠、移動は中等度介助で、屋内Tケーンです」では伝わりきっていないと思います。質問をしてこないご家族もおられます。退院後や環境変更後に理解を伴っていないとトラブルにもなります。分かりやすい平易な表現を心がけたいものです。
横文字や若者言葉なども避けた方が無難です。
それが標準的にどの世代でも分かる言葉なのかの想像力が必要です。
③自尊心を考慮する
未だに認知機能や言語理解機能が低下されていると感じると幼児言葉で話しかける方がおられます。また高齢者に対し「かわいい」というのも違和感が強いです。
自分の親、親族がそのように見ず知らずの従事者に話しかけられていたらどうでしょう?
幼児言葉で話しかけたからと言って理解しやすくなることは先ず無いです。
寧ろ、抽象的な表現はやめる、具体的な言葉で単文でYESNOで答えやすい声掛けをする、
といった工夫が必要です。
またTPO(時と場合と場所)を意識した話し方が大切です。
ご本人参加のカンファレンスで「上肢は廃用手ですので使えないので、、」という表現はどうでしょうか、、少し考えれば分かることかと思いますが習慣的に使っているとTPOで切り替えられずこのように言っている方もおられます。
同じ内容を自尊心を傷つけずに話せる工夫は能力として必要だと思います。
逆に、我々はその方の本当の思いを代弁出来る人でありたいものです。
④モチベーションが上がる少しの気遣い
どの世代、どんな人でも褒められて嫌な気になる人は少ないものです。
いつもの練習より少しパフォーマンスが良ければ「おお、今日良いですね!」とか
少しの良い変化があれば「こういう気付きがあると更に変わっていく兆候と言われていますよ!」としっかり拾い上げてフィードバックするのは非常に大切です。
また練習中に支援者側が独り言の様に「良くなってきてるなー」と呟くのも効果的です笑
その日その日だけでなく、時々半年、一年単位の変化を客観的に変わってきた良い点などを
お伝えする、そこには自主トレーニングや日々のご家族支援者との関わりがあったからであることをお伝えすると、モチベーションが上がりやすくなったりします。
(自主トレーニングは90点取れるものを、マンツーマンは50点とれるものを設定)
声掛け一つの積み重ねで人は障害があろうがなかろうが変わっていきます。
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