「ST,在宅やってるってよ」その81
成人式のシーズンですね。
このご時世で祝いの形や再開の形も様々になったと思いますが
若さは可能性無限大。
そんな風に本気で思うようになりました。
当時は思っていなかったのですが。。
ということで
今回はSTの「進路」についてです。
あくまで私の一意見ですが、多くのSTが関わる分野をSTとして経験してきました。
部分的なものも含めると以下になります。
病院関係
集中治療室、急性期、回復期、療養型(維持期)、外来、集団外来、
物忘れ外来、治験、大学病院、
施設関連
デイケア、老人保健施設、特別養護老人ホーム、ケアハウス、
サービス付高齢者住宅、障碍者支援施設、障碍者デイサービス、
小児関連
児童発達支援施設、放課後等デイサービス、ことばの教室
訪問
訪問看護からのリハ
その他
保険外言語療法
講師(企業、都道府県、職能団体、養成学校、医療福祉関連施設等)
オンラインST
製造業
所謂、街づくり事業
振り返ると浅く、広く体験してきた様にも思いますが
同じ言語聴覚士でも求められるものは技術・知識だけで無く、
適正という意味でも異なります。
例えば
同じ「病院」という医療の括りの中でも集中治療室~急性期では
リスク・バイタル・医療機器面の知識や応対と病態としての予後予測に比重が置かれますし、特に嚥下面から
「良くなるのか、なるならどれぐらいの期間でどこまで」を医師から意見を求められることもあります。
その答えによって看取り方向になる場合もあるし、やや長期に重点的な体制を置くことで回復に至ることもあります。
回復期になると
絞ったフィールドでの深度が問われる比重が増えます。
脳卒中関連に特化した手技・知識、自然回復と、それとは異なる刺激としてのリハビリ提供
在宅生活のシュミレーションからの在宅復帰か施設入所か、の判断能力も必要です。
維持期では
定められた提供日数の中で如何に効果的に、また他職種と共有し日々のケアに活かして頂くか、の視点・提供への比重が増えます。
研究分野となると
如何に珍しい事なのか、その結果に至る証明プロセスへの視点に重きが
置かれるように感じます。ですので提供するリハ手技も同一、同内容で、
結果を考察する為の刺激として捉える視点もあるように感じます。
在宅、障害分野になると
病態症状ではなく、生活環境・サービスを含めての「自立の視点」と
利用者本位の提供の視点が増えます。
如何に生ききるか、活き活きと暮らすか、楽しんだ生活の結果として予防に至るか。
自身の生活の彩にST内容が必要かを判断されることになります。
小児になると
概念が無いことへのアプローチ、親や家庭を見る視点、楽しめるシチュエーション作りに
重きを置くことになります。
保険外やオンライン、教育、モノづくりとなると
如何に簡潔にサービスを伝えるか、魅力を伝えるかに比重が傾きます。
医療や介護従事者として接するとミスマッチが起こります。
私はSTとして就職・臨床を重ねる中で当初は病態・症状自体への興味が強い傾向に
ありましたが、徐々に回復期ー外来と体験するうちに
「人・生活」を見たいと感じ始めました。
そこに自分の適性があると感じ出すと、日々多くの症例の経口可否に重きを
置いた業務を自分がSTとして行うべきでは無いと思い始めました。
人それぞれですので逆の適性があり、異動する方もいると思います。
私が体験した上記のフィールドはその都度転職したわけではありません。
所属先で「こういう分野がしたい」と伝えたり、未経験の分野への体験機会があれば
是非、挑戦してほしいと思います。
経験すればするほど、一見全然違うことを求められていても蓄積された知識が出口を変えて
活かせることに気づいたり。
これからもST分野は変わっていくと思います。
広い視野で柔軟に挑戦したいものです。
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