「ST,在宅やってるってよ」その84
先週「木を見て森を見ず」について書きましたが
今回は「金銭管理の自立」についてです。
ご本人の能力としての金銭管理能力≒計算能力・認知機能(遂行機能等も)を
見ることが多いですが
実際の生活の場で考えると
家庭環境や「複雑な計算を必要とされる状況か」の二点が大切になってきます。
家庭環境という意味で言えば
ご家族との同居であれば、
「日常の買い物が自身で行え、借金をしない」で十分な「自立」となります。
この場合は実際の計算能力もそこまで必要ではないこともあります。
実生活ではレジで計算は自動的にしてもらえるので
「大まかな数字の大小の判別」が出来れば可能です。
大きな金額の支払いや医療費や確定申告などの計算はご家族で、等という役割分担が可能だからです。
逆に、認知機能もご病気から大きく改善され、
日常的な家計簿もご自身で管理可能、日々の光熱費や税金支払い等も自立されていても、
独居でローンや借金、受給している収入毎の種別や運用の理解など、
複雑な金銭管理が必要なケースでは知能指数検査や机上課題等で
問題の無いレベルになっていても言語機能が軽度低下や移動面の困難さが少しある、等の
積み重ねでご自身では困難、となることもあります。
独居の場合、金銭管理のサポートは一般の医療・介護支援職では行えない為、後見人制度などの導入を検討する必要があります。
一般的な「金銭管理」の想定の幅を大きく知識として持っておくこと、
個別の金銭管理を必要とされる環境の違い、の2点を把握する
視点を持って臨みたいものです。
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