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執筆者の写真hanataku2019

「ST,在宅やってるってよ」

「ST,在宅やってるってよ」99


ここ最近、こんなことがありました。


普段は胃ろう、ヨーグルトやプリンまではご家族の介助で可能、な

ご利用者さん。

去年の今頃、退院されました。


元々、在宅では無く、看取り目的での療養型病院方向と入院時に決まりかけていました。


実際、入院中は一切食べず、胃ろうからの栄養のみ、ベッド上生活で

在宅で見られるような活発な反応は見られず、「難しい」可能性は高かったです。


しかしこの方、

これまでも病院では一切食べない。軟菜食が摂取可能だった頃も

病院という環境と、病院食(安全の為に口腔機能のみ考慮するとペーストになる)は

一切食べずに胃ろう、退院後、食欲が出て少しずつ経口に移行し胃ろうを外す。の

実績がある方でした。


重度の失語症もあり、ご自身の意見を伝えることが難しいですが

身振り手振りやその場の状況から理解し訴えることは可能な方です。

ただ、丸呑みの食べ方を修正することが難しい症状をお持ちの為、

時折油断するとご家族の食事を食べ、窒息しかける。というエピソードはありました。



とはいえ、今回の入院は別の疾患が原因で入院中にも肺炎を合併し、

所謂、廃用症候群も著明。入院中は頬もこけ、口を開けたまま乾燥し、

病室にお伺いしても無反応でした。


「胃ろうも無しで看取りで」がご家族に最初に提示されました。


しかし、これまでの経緯から「家に帰れば違う」をご家族は訴え


胃ろうを造設することに。


更に、「療養型施設方向」からご家族の「家に帰れば違う」の訴えで


在宅に退院されました。


その間もご家族から「絶対に家に連れて帰るので食事のリハビリを頼みたい」と


お願いされました。


そんなこんなでの去年の今頃。


退院時の主治医の先生からの許可は「嚥下機能評価まで」を頂きスタート


しかし、自宅に帰ると病院では全く動かれなかったのに座ろうとされる。


唾液誤嚥は見られない。フードテスト、プリンもSTリハビリ内では行ける。


介護食品を使って丸呑みでどこまで食べられるか、


前述の通り好みでは無いですが、久々の食事なので数口家では食べて下さる。


カメルカを用いつつ、UDFと照らし合わせつつ、


「歯茎で潰せる」内のハンバーグ(50Kpa上限近い)以外は丸呑み送り込み時の

舌圧で潰し、嚥下し、口腔・咽頭をクリアに出来る。


そんなタイミングでデリソフターのデモをお願いし、


ご購入され、硬さを確認しつつ、提供。


今ではデリソフターとスベラカーゼの掛け合わせのカツカレーも全量摂取出来るように。


咽頭のコンディショニングや交互嚥下などの代償を用いるのでSTリハ内ですが。


体重も4キロ増えました。家族とのドライブにも良く出かけます。


そんなある日。


食事のリハビリ時間に往診の先生が時間の都合が付かずにバッティングーーー


普段はバイタルなど測れる、診察も出来るのですが


ーーーーー大激怒ーーーーー


言葉は出ませんが、叫びつつ


「今は食べる時間だ、楽しみな時間を邪魔しないで!」と言わんばかり。。


実際、「食事の人」な私がバイタルを測るとすんなり測らせて下さいました。


このエピソードに遭遇して


「食べる時間を楽しみにしている」ことを実感しました。


トライしてよかった。今世の中にある便利なモノたちを掛け合わせながら


これからも食の楽しみを提案していきたいと思います。






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