「ST,在宅やってるってよ」その102
今回は「お声掛け」についてです。
以前から個々人によって接し方を変える大切さんについて
在宅でのウェイトは結構大きいことをお伝えしてきましたが、
今回は
訪問の依頼の際にケアマネジャーから「理論的な説明が無いとご納得されない方」
という留意事項付での依頼があった方についてです。
バリバリ自営業もされつつ、自分が納得出来ないことは受け入れないというスタンスの方
でしたので、自身が受けるリハビリ内容についても説明と同意が特に注意が必要で
実際に訪問を開始した際もご質問が多く、その一つ一つの「説明ー同意」を行いました。
その分、ご納得されると自分でも前向きに捉えて挑戦される方でもあります。
そんなある日、初期の癌が見つかり検査と摘出・治療で2週間のご入院となりました。
「早く見つかって良かったし、何とも思ってない、しかし足とか手(元々の麻痺)はかなんわ、、、」といつもの感じで話されていました。
そして2週間で予定通り手術治療が終わり訪問再開した日のこと。
ん、、何だかいつもよりハキハキしている印象。。何でだろう?
手術が無事に終わってというのもあるだろうけど、それとも違うこの感じ、、、
ご本人にお聞きすると
「癌の一区切りしたのもあるけどな」
「手術終わって点滴繋がれてベッドで寝てないと仕方ない時、気持ちが滅入っていた」
「そんな時に同じ病院におられる元々のご病気での主治医の先生の受診があった」
「先生に弱音を吐いたら、意外な言葉が返ってきて驚いたね」
と言いますと、、、
「○○さん、気力です」
理論的な説明をずっと求めてきた筈が、一番この言葉が響いたとのことで
そこから退院までの間、自主的に病棟内を何周も点滴棒を押しながら歩いたそうです。
「あの先生がそんなこと言うと思って無かったし驚いたけどな、火付いたわ」
退院後も筋力低下無く在宅生活に戻れたのはこの言葉のお陰だと思います。
退院してからも散歩を以前より心がけて調子も良いので「スッキリ」していた様です。
他にもデイのスタッフに以前言われた言葉で響いているのは
麻痺があって歩き難いとはいえ「あなたには自分の足がある」と言われた時だと。
理論だてた説明がお好きな方でも時には心を動かす言葉がけも大切だと感じました。
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