「ST、在宅やってるってよ」

「ST,在宅やってるってよ」その141 看取りの事や終活についてのお話を多職種で話し、聞くたびに思い出す方がいます。 出会いった時は その方は「介護者家族」の方でした。 訪問する中でご家族として接していました。 数年経ち、ご家族がお亡くなりになり 数日後、お電話を頂きました。 「話せなくなってきてる、浮かばなくなってきている」 介護サービスについてお話しすると ご自身で主治医を見つけ、サービスを開始されました。 介護者家族さんがご利用者さんに変わりました。 少しずつ症状は進みましたが お一人で元気に明るく過ごされていました。 数年が経ち、ある日訪問すると いつもよりソワソワされていました。 ご一緒に不安なところを確認して 落ち着いてくるといつもの様子に。 そんな時にポロッと言われました。 「時々、自分が自分じゃ無い様になってる、それが増えていってるねん」 そんなお話を聞きつつ、ご家族の協力もあり、更に数年。 身の回りのお手伝いが、必要にはなりつつも、一人暮らしを続けておられる日々。 ある年末の訪問。 「そういえば美空ひばりがAIで新曲出しましたよ

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「ST,在宅やってるってよ」その121 在宅STをしていると色んなことがあります。 一般的な会社員をするよりも「人の最期」に向き合う場面は自ずと多くなります。 先日、訪問すると重篤な肺炎状態で既に厳しい状態になっておられる場面に遭遇しました。 この方はご自身の意思表示が出来る時からご家族と 「入院はしない」 を決めておられました。 往診医の先生、緊急対応の看護師に状態連絡、訪問依頼をし、 来られるまでの間の一時間、可能な限りの呼吸介助と吸引を中心に行いました。 かなり状態は悪く通常はすぐに救急要請をするところ。 ご家族も揺れる想いの中におられましたので 救急対応後に一般的に行われる事などの質問にもわかる範囲でお答えし 再度 「入院はしない」 となりました。 ご家族と処置をしつつ、ふと奥さんが一言 「明日は結婚記念日、、何年か忘れたけど。明日まで頑張ろう」 こちらも平静を装いつつ焦りもありましたが 「おーおめでとうございます。何年ですかね。40年超えてるんじゃないですか?」 と、「いつも」の会話も大切にしつつ。 往診医・看護師が到着し、バトンタッチ

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「ST,在宅やってるってよ」その115 一日に必要な栄養量が摂れないことが明白な時期に 徐々に進行する嚥下障害の中で 「経口摂取のみで最後を迎えたい」というご意向の中で STが在宅で出来る事は何かと考えることがあります。 少しでも食べたい、味わいたいに対して関わりつつも 「楽である事」「家族とのやりとりを実感出来る事」 への支援もその役割ではないかと思います。 例えば 訪問時から咽頭残留が著明で、唾液でムセ続けるような状態で 吸引を続けながらも、外科的処置は望まずそのままで在りたい方、 吸引回数が少し減る様に、嚥下姿勢やコンディションを整え、 呼吸介助ーメンデルソン手技下での唾液嚥下を行うことによって 一時的にですが、吸引をせずに喉がスッキリする、喉頭挙上が少し スムーズになる。 そして喉がスッキリした状態で呼吸介助や斉唱などを組み合わせることで ご家族との明瞭な会話のやりとりをお手伝いするーー 一時的ですので戻ってしまいますが、そういう時間を提供することも 一つの在宅STの存在意義かもしれません お伝え出来る範囲は多職種、ご家族にも共有しますが

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「ST,在宅やってるってよ」その106 今回は在宅STならではのACP(どのように将来の医療ケアを望むか、人生会議) についてです。 当然、メインは主治医と当事者家族を軸に多職種連携で行っていくのですが STがメインで関わる、当事者の迷いや今後の情報収集として必要な情報を提案する事で 選択が広がる、場合によって未来に少し希望が増えることがあります。 我々が関わる中では 食事面では 経管栄養方法と嚥下関連の手術となります。 胃ろうについてのネガティブなイメージは社会的にありますが、 必要なエネルギーを補うことによって再び経口のみで可能になる、 経口のみの選択になった為に無理な摂取量を試み誤嚥した、を防げるメリットがあります。 点滴まではするのか、点滴で入れられる栄養はどんなものか、各々の生活を抑制される時間、(滴下と見合ったカロリー量)などは知ったうえで選んで頂ければと思います。 次に嚥下関連の手術についてですが、喉頭全摘手術と気管分離術に代表される「誤嚥防止」 手術についての丁寧な説明が必要かと思います。 気管切開・人工呼吸器を望まれた際に、この

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「ST,在宅やってるってよ」その88 「在宅で人と長く話をする」という意味において 我々の仕事は他の医療・介護・福祉職よりもその比率が多くなるかと思います。 信頼や安心感を持った関係性になってくると、 または冒頭から、 時々こんな言葉を聞きます。 「もう死にたいわ。生きてる意味ない。」 何度聞いても「強い言葉」です。 例えば 嚥下障害のある方に 「誤嚥・窒息を減らす≒死なない様に」 の様な目的で担当している時にもお聞きします。 他にも 進行性の疾患の方から 「出来なくなることに」対して言われます。 例えば 特に何も生活上、そんなリスクが無くても ふと、言われることもあります。 「治したい、良くなってほしい、健康になってほしい」 が強く、当たり前にあり過ぎると。 強くその言葉を否定してしまう事があるかもしれません。 「傾聴」に終始し、何とも言えない雰囲気で終わることもあるかもしれません。 私はそんな話があった時に、可能な範囲で 「アサーティブ」な関わりを取り込んでいます。 「アサーティブ」とは アサーティブネス(Assertiveness)の訳語は

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「ST,在宅やってるってよ」その78 かれこれ15年、間はありましたが関わらせて頂いているご家族がおられます。 病院時代から外来、 外来が終了してからも時々ご連絡を頂いていましたが 私が訪問を始めたことを風の便りにお知りになっての逆オファーからの今日です。 入院時は「経口摂取か、胃ろうか」の選択を迫られる中、 経口摂取獲得ー常食摂取と奇跡の回復力で在宅へ帰られることになりました。 基本的に移乗・移動・その他全てに人の手が必要でしたが、 そのご家族は「一人でやり切る!」と決意を入院中に決められ、今に至ります。 (支援者には非常にシビアに要求されつつも信頼関係が出来ると相談されるご家族) 訪問になってからは発声発語をメインに関わって来ましたが ある日、吐血されました。 お電話で状況からのご相談を受け、ST分野についての覚醒低下からの嚥下面への 食形態や環境等をお伝えし、水分確保としての一時的な点滴の主治医、看護師への 相談などもご提案しました。 後日訪問すると その後吐血は無く、徐々に戻りつつあるということで一安心でしたが 経過をお聞きすると ・主治