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「ふたたび、暖簾をかけるまで」

「ふたたび、暖簾をかけるまで」第32話

当時の日記や出来事など  ご本人


6月11日(木)

朝9:15

もうすぐ高田先生こられてリハビリです。作業所へいくための心構えきいておきます。

予報では午後は雨になっているので外出は控え、家でできることやっておきます。


夜19:00

炊きたての白ゴハンとてもおいしくよばれました。カツオたたきおいしいです。

雨はしっかりふっています。明日からきんぎょ食堂での作業に入れます。元気よくあいさつして取りくみます。


6月12日(金)

朝A.M7:30

小雨がふって梅雨らしい空です。肌寒くて今日は長袖を着ています。

今日は作業所“きんぎょ食堂”デビューです。元気よく自分らしく“かどや”再オープンにむかっていきます。ここまで支えてくれた久代への感謝もこめて行ってきます。


夜19:40 ひとまち担当 D達さん

K井さんの“ひとまち交流館”のきっさ店へ行きました。この店のやり方、お皿やカップ、ボールの片づける場所全然わからないので、仕事しているより見ている時間のほうが長かったです。決められた時間にその日ごとにかわる作業所へしっかり行くこと、まず心がけます。


6月13日(土)

朝10:00

青空が広がるすがすがしい天気です。私の脳みそも今日の空のようにすっきりしてきました。今日は特に予定もないのでゆっくり過ごします。

昼15:30

お布団あげてやっと店のほうへ降りてきました。昼は冷やし中華です。

これからたべることが多くなると思います。蒸し暑いときにはたべやすいです。

頭の整理もすこしづつですが出来るようなってきています。月よう日からまたK井さんのところできたえてもらいます。


今 当時のことについて思う事  ご本人

高田先生の訪問リハビリは私にとっての転機になりました。

それまでのリハビリとは取り組む姿勢が変わりましたし、よく考えるようになりました。


きんぎょ食堂、浅川亭での作業は考えかたを変えるいい機会になりました。

誰かと比べるのではなく、私のできることをひとつづつ確実に行うことを考え始めました。


作業所の厨房は低い位置に道具や調味料が置いてあるので

片付ける時などに腰をかがめる必要があって戸惑うことが多くありました。

そして時間までに決められた場所に行って作業することが

その時の私にはあっていたリハビリでした。


お布団をひいて寝る、お風呂にお湯を入れてはいる、

トイレに行く血圧を測る、体重を測る、

日々の生活のあたりまえのことを手帳やカレンダーに記入することを

毎日して戸惑うことが減ってきました。

頭に記憶することだけで覚えるのではなく

書いて残しておくことであたり前のことが出来るようになってきました。











*この日記は高次脳機能障害からの記憶障害の練習の為にご家族による当時の様子、思いとご本人による振り返りから構成されています。ご夫婦より多くの方に知ってもらいたい、とのご希望があり、掲載しております。

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