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「ふたたび、暖簾をかけるまで」

「ふたたび、暖簾をかけるまで」最終回


(担当STから)


訪問リハビリも「店の準備が忙しくなった」為、終了となりました。


そして以前約束していた、店を再オープンしたら


どうやってその目標に辿り着いたかを多くの方に話してほしい、の

約束も果たして頂きました。



当日は多くの医療福祉関連職だけでなく、高次脳機能障害にお悩みの当事者やご家族が

参加されました。


これまでに利用してきた歴代のメモ帳(中身のクオリティ、機能性が日に日に上がっていく)も展示して頂き、お店の名刺もしっかり資料と共に挟ませてもらいました。


本人の口から出てくる言葉は常に前向きで家族への感謝、

そして「店を再び開きたい」でした。


参加された方も勇気をもって歩みだそうとされたり、新たなご縁に繋がったりしました。


私自身、高次脳機能障害の方の復職のお手伝いはこれまでにも経験はありましたが、

これだけ実のある目標達成をされた方に出会ったのは初めてでした。


普段の訪問リハビリは「点」でしかありえません。

週2回、その「点」の関わりだけでは無し得なかったと思います。


多くの関連職種、障碍者生活支援相談員が親身にご本人に合う作業所を同行で見学に付き添われたこと、ケアマネージャーが障害分野・作業所・高次脳支援員といった介護保険分野の枠を超えて理解、関わって下さったこと。

高次脳専門医の柔軟なご提案、高次脳支援センターの役割分担、

作業所の皆さんがその都度説明してくださったこと。

常連さんが再オープン前からいつも気にかけてくださっていた暖かさ

同級生が駆けつけてデモオープンのお手伝いをして下さったこと。

高次脳当事者同士で仲良くなった方々との交流

移動、お手伝いと頼りになるお義母さんの存在


そして何よりお二人がリハビリの無い日も多くのことにチャレンジしつづける

「日常」を作って来られたことだと思います。

作業所に行きだされた際に、近くの作業所で自身も就労された奥さん、訪問当初は「自分の時間が無くて疲れ切っている」と言っておられたのに、そこもついて行かれる覚悟。

それに応えようとされる大将。感謝の気持ちを忘れず声にされることの大切さ。

日々の買い物やこれまで出来なかった旅行、二人での散歩外出、課題の克服という目的ではなく、そんな心構えで日々を共に歩まれたが故だと思います。


最近、スーパーでお二人に偶然会いました。

日々、店舗の前を仕事の移動の道すがら確認はしていましたが

向こうからお声がけいただき、今は週5回の営業とのこと。

お二人とも御元気そうで、このブログでのエッセイのことも改めて

「多くの方に困っていても出来るようになることもある」を知ってほしい

とのことでした。


最後になりましたが、居酒屋「かどや」は普通に美味しい居酒屋です。

沢山美味しいメニューはありますが

私のお気に入りは「焼きおにぎり」

講師を引き受けて下さったお礼に当時作ったお店のPVを以下に貼っておきます。

皆さん、京都にお越しの際はぜひ「居酒屋かどや」へ。









*この日記は高次脳機能障害からの記憶障害の練習の為にご家族による当時の様子、思いとご本人による振り返りから構成されています。ご夫婦より多くの方に知ってもらいたい、とのご希望があり、掲載しております。

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