「ST,在宅やってるってよ」その138
ご自宅に訪問する中で
STがファーストエイドとしての役割を担う事が時々あります。
一般的には誤嚥を疑う場面がイメージされるかと思いますが、それは嚥下障害が比較的重度の方にそれがメインでのオーダーの時が殆どです。
STが訪問する中で失語症や構音障害、認知症などがメインで嚥下障害は無い方も
多くおりれます。
身体的に介護がいらない方も多いので
医療介護職がSTしか普段関わらないことも多いのです。
普段から関わっていることで
その方の最大に話せる能力を把握している、動作の速度、巧緻性を把握している事で「小さな変化」に気づきやすくなります。
特にバイタルや覚醒に急変とまで行かなくても、いつもよりなだらかに全体が低下していっている場合は
慢性硬膜下血腫の可能性や正常圧水頭症などを疑ったりします。
毎日過ごしているご家族や介護者の方が気づかなくなったり老化と片付けそうな変化をどこで気づけるかは二次被害(歩行困難から転倒骨折入院の様な悪循環)を防ぐためにも大切です。
その他ですと
脱水症状(低ナトリウム血症)による意識低下も暑い時期に見られますし
不整脈、心疾患の悪化、下肢静脈瘤などの変化も毎週の関わりで見えることです。
以前もこちらに書きましたが
我々は診断は出来ませんので
「明確に主治医、医師に伝える」が大切です。
ご家族に症状や先週との比較をまとめたメモをお渡しする、救急車ほどでは無いが定期受診までは待たない方が良い場合は
本人が家族が深刻に捉えていない時は
怖がらない様に気をつけつつ、手間が関わらない方法として「電話でとりあえず確認してみては?」と行動しやすくする配慮も大切です。
私の場合大体年間で二、三件はこう言った事から大事になるのを防げた、というエピソードがあります。
普段の関わりから出来るSTのファーストエイド、そんな視点を持てると信頼関係も増すこと間違いなしですので是非。

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